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zoom RSS 最近読んだ本を羅列する 「胡蝶の夢」

<<   作成日時 : 2013/03/01 11:06   >>

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「胡蝶の夢」(1〜4) 司馬遼太郎 ★★★★★

主人公は幕末、明治を生きた三人の医者、幕医・松本良順、徳島藩藩医・関寛斎、孤高の天才・島倉伊之助。
彼ら三人の生き様を追う内に、一体、人に誇れる生き方とは何だろう?と考えてしまった。
 松本良順は幕藩体制下において、漢方主流の江戸城奥医師達に散々な嫌がらせを受け、自分を見失いそうになる。
長崎留学するにあたって、その嫌がらせは止んだものの、著者はそれらの意地悪、嫌がらせは幕藩体制の伝統、文化となってしまっていると、言っている。
上下の秩序を維持する為、おのが立場を護る為、意地悪が横行する。
そんな中で蘭方医として自分を確立していった松本はあれほど、苦渋をなめさせられた幕府に心を残し、会津戦争に身を投じてしまう。そして新政府に対する反逆者として、投獄されしまうのだ。
 関寛斎は最も温和で人当たりの良い印象を受ける。
そんな関が七十を過ぎた年齢で北海道に入植し、土地開拓をするとの強意は一体どこから湧いてくるのだろう?
それほど熱い情熱を内を秘めた人間が、自ら死を選ぶとはいかなる苦しみによるものだろう?
できる事ならこのような人物には、「街のお医者さん」としていつまでも人々を見守ってほしいものだと思える。
 島倉伊之助、この人の生家は私の自宅から車で15分程度の場所にある。
伊之助の故郷の街並み、留学の為小木港まで辿った道、どれもよく知っている光景が展開し、幕末佐渡のイメージが湧き易かった。
伊之助は今の世でいう、自閉症、広汎性発達障害、サヴァン症候群と思われる。
司馬遼太郎の時代でも発見されていなかった病気がウィルスの存在も知らない江戸末期の日本人に理解されるわけがない。
閉鎖的で文化伝達速度の遅い佐渡ではなおさらだ。
ただの変わり者、付き合いづらい者、関わりたくない者で終わってしまう。
良順だけは伊之助を理解していたが、かばい続ける事は不可能だった。
良順も人と人との関わりの中で生きる人間だったから。
もしかすると良順は医者の目で伊之助が未知の病に罹っていると推測していたのかもしれない。
医者である良順はそんな伊之助を見捨てることができなかった。
栄職についても長く続かず、転々と居を移しながら伊之助が最期の見たのは胡蝶の夢。
彼の安住できる世界は今の世でもみつけることは難しいと言わねばならない。

三人の生涯はそれぞれが胡蝶の夢なのだ。
今見ていた夢は己の夢だったのか、それとも蝶の夢だったのか。
幕末と明治を夢のように駆け抜けていったそれぞれの人生。

最近になって幕末医学史にとても興味が湧いてきました。
崇高なる仁の精神、順天堂の存在意義。
次は緒方洪庵先生の本を読もうかな?
やっぱり自分は長編を一気に読むのが好きです。
家事をさぼり気味になり、家族には呆れられます。


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